三浦夫妻の温かさにふれて  渡辺和子

私は、父が旭川の第七師団長に任ぜられた翌年に生まれ、2才までおりました。その後、父の転勤で、東京、台湾等に連れて行かれ、母から、「あなたの生まれた日は、零下24度の寒さだった」と聞かされ続けておりました。
三十年も前になりますが、2月に講演で旭川へ行った日も寒く「しばれる」経験もいたしました。三浦ご夫妻とお目にかかったのは、その頃でした。
その後、旭川に行く度に「お帰りなさい」と出迎えて下さり、常磐公園の碑は、私の父が在任中に書いたものであることを教えてくださったりしました。
『氷点』に強く心打たれた私は、その後の著作にはあまり触れることなく、いつも「お帰りなさい」と出迎えてくださるご夫妻の温かさ、お二人の睦まじさを、いつも美しいと思っておりました。
この度『塩狩峠』を中心にした記念企画と伺い、心からお喜び申し上げております。

渡辺和子(修道女) 三浦綾子記念文学館 特別展『塩狩峠』「一粒の麦 いのちより重い愛の尊さ」 2016(平成28)年7月1日〜10月28日 パネル掲載文章

『塩狩峠』文庫本

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