同じ日。橋宮容一は、庭のテーブルでコーヒーを飲みながら、

同じ日。
橋宮容一は、庭のテーブルでコーヒーを飲みながら、傍の香也子をちらちらと見ていた。別れた妻の保子によく似た香也子の横顔が、今日はひどく不機嫌だ。その不機嫌の原因を測りかねて、容一は再び視線を芝生に戻す。

三浦綾子『果て遠き丘』「春の日 二」
『果て遠き丘』小学館電子全集

オーディオライブラリー『果て遠き丘』朗読:七瀬真結

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  1. 香也子は、さっきからだらだらとつづいている生さぬ仲のドラマを切った。

  2. 二人はいつしか頂上に出た。頂上にはテレビ塔があった。

  3. 恵理子の着ふるしを、香也子はよく着せられた。

  4. 西に行けば、道は下って三百メートルほどむこうの柏林に突きあたる。香也子は東にむかって歩いて行く。道端のチモシーが雨にぬれて光っているのが目をひく。角の家の藤がいま盛りで、小さな紫の滝のようだ。

  5. 章子のボーイフレンドの金井政夫を、今日ははじめてわが家に呼んだのだ。

  6. 二十畳の応接間に、いま、橋宮容一と、その妻扶代、そして娘の章子が、英語塾を経営する金井政夫と談笑している。