大ぼうけんをした、たび人へ  ~『しずくのぼうけん』を読んで~  波多美理愛

「水ってなんだろう。」
わたしは、これまで水について考えたことがありませんでした。しずくのぼうけんのはじまりはどこなのかな、おわりはあるのかなとかんがえているうちに、すいこまれるようにページをめくっていました。

きれいずきのしずくが、
「なんて、きたないの。」
と言うところにドキッとしました。水は、もともとよごれていないのです。わたしたちは水なしでは生きていけません。生きているものは、みんなそうです。人も、どうぶつも。しょくぶつも。

お話は、うたうようにながれていきます。ある水よう日のこと。村のおばさんのバケツから水がひとしずくとび出して長い長いたびに出ます。とび出たところはうらにわで、ほこりでしずくは、ねずみいろ。
(せんたくやに行ったら、きれいにしてもらえるかな。)
と、しずくはそうかんがえました。

わたしはしずくといっしょにぼうけんしたくて、よこはまの水さい生センターへ見学に行きました。そこでは、よごれた水をきれいにして川やうみにもどしたり、しん水から町をまもったりしていました。
水は、地下にもぐったり、空にきえたり、雨になったり、こおりになったり。こんなにめぐりめぐっているなんて。いま、目の前にあるコップの水のひとしずくも、きっといろいろなぼうけんをしてきた、たび人なのです。そうかんがえると、水のひとしずくがとても大切におもえてきました。

わたしのいえの水のじゃ口をひねってみます。雨のしずくを見てみます。わたしは、しずくがどんなぼうけんをしてきたのか、目をつぶってそうぞうするようになりました。しぜんからかりた水だから、よごさないように、むだづかいしないように、大切につかって、またしぜんにかえしてあげないといけないと、こころにちかいました。

波多美理愛(白百合学園小学校2年) 優秀賞 A 自由作文部門
三浦綾子記念文学館 第20回三浦綾子作文賞 2018(平成30)年

第22回三浦綾子作文賞 募集

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