静かに戸をあける。鈴がリンリンと澄んだ音を立てた。
靴は一ミリの隙もないように、きちっと揃えてあがる。いつものことながら、恵理子は、母と別れた父の橋宮容一の心情がわかるような気がするのだ。
三浦綾子『果て遠き丘』「春の日 一」
『果て遠き丘』小学館電子全集
静かに戸をあける。鈴がリンリンと澄んだ音を立てた。
靴は一ミリの隙もないように、きちっと揃えてあがる。いつものことながら、恵理子は、母と別れた父の橋宮容一の心情がわかるような気がするのだ。
三浦綾子『果て遠き丘』「春の日 一」
『果て遠き丘』小学館電子全集