イタリヤポプラの下までくると、恵理子はポプラの幹によりかかって、まだ真っ白い大雪山を眺めた。

イタリヤポプラの下までくると、恵理子はポプラの幹によりかかって、まだ真っ白い大雪山を眺めた。透明な青空の下に、大雪山は新雪のように純白に見えた。街から帰ってくる時々、恵理子はこうして、そのすらりとした肢体をポプラの幹にもたせて、大雪山を眺める。

三浦綾子『果て遠き丘』「春の日 一」
『果て遠き丘』小学館電子全集

オーディオライブラリー『果て遠き丘』朗読:七瀬真結

関連記事

  1. 「いま、お兄さん、好きな人ができたらって、おっしゃったわね。じゃ、その好きな人がお兄さんだったら、どうするの」 「え?」

  2. いま思うと、外から帰ってきた父が、洗面所で、

  3. 「ご機嫌いかがですかな、香也子嬢」

  4. 行く手の畔に立つ数本のイタリヤポプラを見た。

  5. 「あの、あと二十分ぐらいしたら、おみえになる筈ですけれど」

  6. 「ねえ、今日はそんなのんきな話じゃないのよ」