この川を隔てた向こうは

この川を隔てた向こうは、一万五千坪ほどの工場地帯で、旭川木工団地と呼ばれている地域だ。家具・建具を製作する工場が十五、六、それに附帯する倉庫、平家よりも高く積まれた乾燥材などの間に、寮や住宅も散在する。

三浦綾子『果て遠き丘』「春の日 一」
『果て遠き丘』小学館電子全集

オーディオライブラリー『果て遠き丘』朗読:七瀬真結

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  1. 容一は立ちあがり、 「ま、この後は君たち二人で……な、扶代」

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  3. テレビの中では、若い女性が海べに立って、去って行く男の姿を見つめている。

  4. 店内はひっそりとして客が二組ほどしかなかった。ま昼のせいだろう。容一、保子、恵理子の三人が、いちばん隅の席に向かい合っていた。 「いい娘になったねえ。まったくいい娘になった」

  5. 行く手の畔に立つ数本のイタリヤポプラを見た。

  6. 二月初めのある夕べ、凞子は突如悪寒がしたかと思うと、たちまち高熱を発して床に臥した。