困難な時こそ笑って生きたい  野尻千穂子

綾子さんの本との出会いは、『氷点』からです。主人公・陽子の、“困難な時こそ笑って生きて行きたい”という生き方に感動した私は、その思いを伝えたく、綾子さんに手紙を書きました。後日お返事が届いた時には、本当に感激しました。それから電話のやりとりが始まりました。
私は12才から、胸から下が麻痺の体で生きていますが、結婚して女の子も授かりました。娘が11才の頃にテレビの取材を受け、その放送テープを綾子さんに送ったところ、感想をエッセイにして新聞に書いてくださり、後に、『心のある家』の本にも載せてくださいました。
生きづらさを抱えていても、こんな自由な心で、世界中の人々を愛したいと努力できるのは、綾子さんと出会ったおかげです。私もいつかこの世の寿命を終え、天国に戻る日が来るでしょう。天国で綾子さんに会えた時、「頑張ったね」って言ってもらえるように、これからも命ある限り、今を精一杯生きていきます。

野尻千穂子 三浦綾子記念文学館 館報「みほんりん」第39号 2017(平成29)年9月1日

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