幾折れもの道が木立をぬって頂上へとつづいている。

幾折れもの道が木立をぬって頂上へとつづいている。が、香也子たちは、急勾配の草原を登って行く。と、山の中腹に何百坪かの平地があった。そこにはひときわ鮮やかな桜が幾本も立ち並び、顕彰碑や、あずまやがあった。あずまやにつづいて、二、三軒出店が立ち、左手山際寄りに、古く小さな神社があった。

三浦綾子『果て遠き丘』「春の日 六」
『果て遠き丘』小学館電子全集

オーディオライブラリー『果て遠き丘』朗読:七瀬真結

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  1. 神社のほうに、何かを囲んで人々が群れていた。その群れの中に和服姿の若い娘たちが二十人ほどいる。

  2. 「ご機嫌いかがですかな、香也子嬢」

  3. ふだん香也子は、保子や恵理子の顔など、二度と見たくないといっている。

  4. 二人は顔を見合わせて、椅子に腰をおろした。 「これで第一関門はパスしたようだね」

  5. 正客への茶を点て終って、恵理子はいま、次の客への茶を点て終っていた。

  6. 「ね、お兄さん、わたしにもキスをして」 「えっ?」 金井は思わず口からタバコを離した。