駆けこむように家にはいってから、恵理子は自分の感情の動きにふっと笑い出したくなった。昨日までは見も知らなかった青年に、ガールフレンドがいようがいまいが、自分には関わりのないことではないか。すねたように青年に背を向けていた自分が、ひどくこっけいに思われた。
(言葉をかわしたこともないのに)
三浦綾子『果て遠き丘』「春の日 五」
『果て遠き丘』小学館電子全集
駆けこむように家にはいってから、恵理子は自分の感情の動きにふっと笑い出したくなった。昨日までは見も知らなかった青年に、ガールフレンドがいようがいまいが、自分には関わりのないことではないか。すねたように青年に背を向けていた自分が、ひどくこっけいに思われた。
(言葉をかわしたこともないのに)
三浦綾子『果て遠き丘』「春の日 五」
『果て遠き丘』小学館電子全集