旭山は、恵理子たちの家から車で二十分ほどのところにある美しい小山である。

旭山は、恵理子たちの家から車で二十分ほどのところにある美しい小山である。旭川近郊の桜の名所で、時季には、一山これ桜となる。四、五キロ離れたところから見ても、驚くほどの見事さだ。その左手の斜面に、白い建物が散在するのは旭山動物園である。

三浦綾子『果て遠き丘』「春の日 五」
『果て遠き丘』小学館電子全集

オーディオライブラリー『果て遠き丘』朗読:七瀬真結

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  1. つんとする香也子に、容一はいった。

  2. 金井が、香也子の両頬を手で挟んだ。そしてそっと唇を近づけようとした時だった。うしろで、けたたましくクラクションが鳴った。

  3. この道はめったに車は通らない。景色はいいが、あまり人に知られていない道なのだ。 「わたしねえ、こんな静かなところが好きなの」

  4. 「…………」  香也子は向かいの山を眺めながら何か考えているふうだった。

  5. 香也子がいった。 「あら、婚約じゃないの? まだ結婚するかどうか、わからないの」

  6. 「おいしいわ。とってもおいしいわ」 香也子がいった。テーブルの上には、牛肉とピーマンと地物の筍のいため煮、毛蟹を使ったフーヨーハイ、それに容一の好きな八宝菜、酢ブタなどがいっぱいに並べられている。