「どうも、突拍子もない子でねえ。驚いたでしょう、金井君」

「どうも、突拍子もない子でねえ。驚いたでしょう、金井君」
容一は大島のたもとからタバコを取り出しながらいった。
「いえ、はきはきしていて、気持ちがいいです」
「ほんとに香也子は、はきはきしてますのよ」
のんびりした口調で扶代がいった。それは香也子を肯定している語調だった。章子はちらりと不満そうに母を見た。
(金井さんは、はきはきしている人が好きなのかしら)

三浦綾子『果て遠き丘』「春の日 四」
『果て遠き丘』小学館電子全集

オーディオライブラリー『果て遠き丘』朗読:七瀬真結

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