穴の中を覗いてみてください1

4月6日より、1階常設展示がリニューアルしました。オープニング・セレモニーに駆けつけてくださった皆様、ありがとうございます。
1階の展示室を仕切っていた壁を取り払ったことで、ずいぶんと明るい雰囲気に生まれ変わりました。
第1展示室「三浦綾子の背景に触れる」は、綾子の生涯を木の枝にぶらさがる果実のように記しながら紹介しています。
6つの穴にはその時代にちなんだ何かを展示していますので、ぜひ一つ一つ覗き込んでみてくださいね。どれも手に取れるものばかりです。
その中の一つ、「いちじく」は一見地味に見えますが……

「いちじく」は、綾子と光世の出逢いのアイテムです。光世が脊椎カリエスで寝たきりの堀田綾子のもとに見舞いに訪れたのは、クリスチャンの交流誌「いちじく」がきっかけでした。これは、札幌在住の結核療養中の菅原豊氏が作っていたもので、綾子も光世も手紙などを投稿していました。光世は前号での綾子の文章を読み、「同じ旭川市と申し乍ら、何処に居られるか存じませぬ堀田様」と綾子を気遣う手紙を投稿しました。

これを読んだ編集者の菅原氏は、「光世」という名前から女性と思い込み、女性同士で励まし合えるだろうと、光世に「堀田さんを見舞ってください」と葉書を送ります。これが電話ではなく葉書だったことでロマンが生まれたのだなあと思わずにはいられません。こうして光世は綾子のもとへ見舞いに訪れるのでした。
また、この「いちじく」には綾子の文章も、綾子を信仰に導いた、幼馴染みで恋人の前川正の短歌も掲載されています。「故」と記されているのが何とも切なくなるのですが……。ぜひページをめくって探してみてください。