企画展こぼれ話8 サスペンス

現在の企画展「三浦綾子サスペンス 層雲峡・天人峡に燃ゆ。」が始まったばかりの頃、ボランティアさんに、「この本はどこにあるのですか?」と何度も聞かれました。「ごめんなさい、本のタイトルではなくて、展示のタイトルです。」と説明すると「あ~!」と言われました。確かにちょっとありそうだったかも……?

企画展のタイトルは毎回悩みます。「何、これ?」とか「行ってみよう!」と思ってもらえるものをつけたいと、無い知恵絞ってひねり出しているのです。

三浦綾子は旭川を舞台にした小説を多く書いていますが、今回はもっとポイントを絞って層雲峡・天人峡を描いた作品を取り上げて紹介しています。層雲峡は綾子にとって光世との新婚旅行の思い出の場所です。穏やかな時間を過ごしたはずなのに、綾子の小説では、何か事件が起こったり、主人公の心情が大きく変化したりする場面として描かれています。この後主人公はどうなってしまうのか、読者がドキドキする場面です。『自我の構図』のように冒頭から天人峡で事件が起こる小説もあります。

「サスペンス」とは「ストーリーの展開において、この先どうなるのかという不安感・危機感を与えることで、観客・読者の興味をつなごうとする映画・演劇・小説の技巧」。つまり、作品で描かれている層雲峡・天人峡は綾子のサスペンス要素がつまった場所なのです。

サスペンスというと、火曜サスペンスが好きだった私は「崖」を連想しますが、ここは「峡」なので崖ではありません。「狭いところにいる時」つまり、追い詰められた心理。その時人はどうするのでしょうか。取材に訪れた綾子は、ここにある銀河の瀧を見上げています。

展示室には綾子も見上げた銀河の瀧をぶら下げています!綾子の視線を真似してみてくださいね。もちろん、展示室での記念撮影もOKです。

「見上げる目線が大事」が気になった方、続きは第4展示室で!