文学館をより楽しめるAR機能のご紹介1~導入編~

本日9月29日の分館オープンに向けて、より文学館を楽しめるAR機能を導入しました。

文学館のグッズコーナーの壁にかかる、このポスターにご注目!

STEP1
旭川ARをダウンロード。
※すでにこの旭川ARが端末にある方はSTEP2へ

STEP2
アプリを開くと、「ARを見るためのQRコードを読み取ってください」と表示されますので、QRコードを読み取ってください。

メニューの三浦綾子記念文学館をタップして「ARコンテンツ」に進んでください。

ダウンロードできたかどうかは、STEP3で確認!このポスターにあるマーカー(綾子のロゴ)に端末をかざしてみて……

動画が流れたらOK!

本館では第一展示室で楽しむことができます。
白いボードの日本語表記パネルにかざすと翻訳画面が表示!韓国語・中国語・英語に対応しています。

開館記念日特別講演 セーラー服歌人・鳥居講演会

20年前の6月13日、文学館の歩みが始まりました。
その6月13日、開館20周年記念事業として、文学館で講演会「生きづらさに寄り添いながら-歌人・鳥居の今」を開催しました。
田中綾館長がぜひ鳥居さんをお迎えしたいということで、今回のことが実現しました。
鳥居さんは、初めての賞を受賞した際に北海道で授賞式があったそうですが、出席することができず、今回の講演が初の北海道。応援してくださるファンの方も北海道在住の方が多いとのことで、鳥居さん自身、旭川でファンの方にお逢いできるかもと心待ちにされていたそうです。
鳥居さんを文学館にご案内すると、第一展示室のデザインや第二展示室のピンクのグラデーションに「かわいい~!」と歓声をあげてくださって、「ここ、デートスポットにすればいいのに~。こんなにきれいな緑が外に広がっていて、こんなにかわいい内装で、絶対いいと思います」と嬉しい言葉を頂きました。鳥居さんは近隣の文学館を訪ねることもあるようで、展示の一つ一つに、特に綾子さんや光世さんの短歌に深く興味を示してくださいました。

講演では田中綾館長が聞き手をつとめ、鳥居さんは、生い立ち、短歌に出会った頃のこと、短歌への想い、学ぶということなどを、透明感のある声で丁寧に話してくださいました。
お客様からの質問もたくさん頂きました!
事前打合せの時に、何度か「ファンの方達との時間を大切にしたい」とおっしゃってくださった鳥居さん。その感謝の気持ちが講演での話し方や質問への答え方にとても現れていたように思います。
「鳥居さんの勉強したいことは?」という質問に対して、「漫画の画を描く勉強」と答え、その理由として「短歌って人気ないんですよ~」という言葉に一同大爆笑。「漫画なら手に取ってくれるかもと思い、漫画で短歌を紹介していきたい」と答えてくださいました。綾子さんや光世さんの短歌のこともそんな風に紹介してくださったらすてきですね。
「どのように短歌を作るのですか?」の質問には「ワードを使いますが縦書きにこだわっています」との答えに、田中綾館長も「横書きだとどこか……」と共感し、皆様も深く頷かれていました。

講演会終了後は、会場で販売していた鳥居さんの歌集『キリンの子』と『「キリンの子」を読む」のサイン会を行い、それに参加してくださった方ともゆっくりお話をされていました。

大阪から北海道への移動は大変だったことと思います。
鳥居さん、ありがとうございました!

新しい本が出版されました!

文学館では、6月で20周年を迎えることを記念して、三浦綾子のことをより多くの方に知って頂くきっかけになればと3冊の本の出版を企画しました。エッセイ集2冊と絵本1冊です。
三浦綾子の誕生日に合わせて4月25日に発売されましたので、奥付に記された出版日を見ると、なかなか感慨深いものがあります。

『一日の苦労は、その日だけで十分です』(小学館/税込1512円)では、恋愛・結婚・家庭・病などをテーマにした、三浦綾子のエッセイを集めました。
タイトルにもあるように、生きていくってやはり大変なことですよね。喜びがある一方で、苦労や悩みは尽きません。三浦綾子も大きな苦労を抱えた人でしたが、だからこそ、人を見つめるまなざしは温かく慈しみに満ちていて、多くの人を励まし、希望を与え続けました。
このエッセイでは、時に厳しいことも語られていますが、それは背筋をピッと伸ばす好機として、”道しるべ”のように受け止めてもいいのかもしれません。

『信じ合う 支え合う 三浦綾子・光世エッセイ集』(北海道新聞社/税込1728円)は、タイトルのとおり、夫婦共著のエッセイ集です。
綾子のエッセイは北海道新聞日曜版(1990年10月~1995年)に連載されていたもので、『心のある家』など単行本に収録されましたが今は絶版になっているものです。この連載中、パーキンソン病を患いながら最後の長編小説『銃口』を書いていたので、当時の執筆の背景がよくわかる、貴重な記録でもあります。
光世のエッセイは雑誌や文学館の館報「みほんりん」などに掲載された文章です。解説は田中綾館長が担当しましたので、そちらも楽しみにご覧ください。

絵本『まっかなまっかな木』(北海道新聞社/税込1836円)は、1975年に雑誌「おひさま」に掲載された綾子の童話に、生前交流があった岡本佳子さんの思わず笑顔になる絵が添えられている絵本です。2002年に出版され読み継がれていましたが、残念ながら絶版になっていました。このたびの復刊は本当に嬉しいことですね。お子様方にぜひ読み聞かせてあげてほしい、心温まる1冊です。

新刊の本は、全国の書店や文学館のミュージアムショップでお求め頂けます。
また、通信販売も承りますので、三浦綾子記念文学館WEBにアクセスして頂くか、文学館へお電話(0166-69-2626)にてご注文ください。

穴の中を覗いてみてください1

4月6日より、1階常設展示がリニューアルしました。オープニング・セレモニーに駆けつけてくださった皆様、ありがとうございます。
1階の展示室を仕切っていた壁を取り払ったことで、ずいぶんと明るい雰囲気に生まれ変わりました。
第1展示室「三浦綾子の背景に触れる」は、綾子の生涯を木の枝にぶらさがる果実のように記しながら紹介しています。
6つの穴にはその時代にちなんだ何かを展示していますので、ぜひ一つ一つ覗き込んでみてくださいね。どれも手に取れるものばかりです。
その中の一つ、「いちじく」は一見地味に見えますが……

「いちじく」は、綾子と光世の出逢いのアイテムです。光世が脊椎カリエスで寝たきりの堀田綾子のもとに見舞いに訪れたのは、クリスチャンの交流誌「いちじく」がきっかけでした。これは、札幌在住の結核療養中の菅原豊氏が作っていたもので、綾子も光世も手紙などを投稿していました。光世は前号での綾子の文章を読み、「同じ旭川市と申し乍ら、何処に居られるか存じませぬ堀田様」と綾子を気遣う手紙を投稿しました。

これを読んだ編集者の菅原氏は、「光世」という名前から女性と思い込み、女性同士で励まし合えるだろうと、光世に「堀田さんを見舞ってください」と葉書を送ります。これが電話ではなく葉書だったことでロマンが生まれたのだなあと思わずにはいられません。こうして光世は綾子のもとへ見舞いに訪れるのでした。
また、この「いちじく」には綾子の文章も、綾子を信仰に導いた、幼馴染みで恋人の前川正の短歌も掲載されています。「故」と記されているのが何とも切なくなるのですが……。ぜひページをめくって探してみてください。

1階常設展示リニューアル

3月26日、常設展示リニューアル工事が始まりました。前日の夕方、展示資料を搬出し、ガランとなってしまった1階展示室。今までの常設展は10年前にリニューアルして以来の展示です。文学館に来てまだ3年の私にとっても、搬出作業は感慨深いものがありました。
文学館は今年の6月13日で開館20周年を迎えます。その記念事業として、常設展リニューアルの計画を進めてきました。「明るく」「楽しい」雰囲気の展示室にしたいと話をしていた時に、デザインチームから「展示室を仕切る壁を取り払ってはどうでしょう?」という提案がありました。壁がなくなると光が入って温かい雰囲気にもなるだろうし、1階ホールの柱が木を連想して林の中を歩いているイメージになるかも……?!
休館日の朝、職人さんたちによってシートが張り巡らされ、ついに壁が壊されて……。

リニューアルした展示室では、旭川の作家・三浦綾子にもっと親しみをもってほしいと願いから、「三浦綾子の背景に触れる」「作家活動に触れる」「言葉に触れる」をテーマにご紹介していきます。
4月6日(金)9時にリニューアル・オープン!お待ちしています!

3月27日(火)~31日(土)臨時休館
4月1日(日)~通常開館 ※ただし、1階喫茶室利用と2階展示室見学のみ(月曜休館、月曜祝日の場合は翌日)
4月6日(金)9時 1階展示室 リニューアル・オープン 

企画展こぼれ話9 テレビドラマ

展示準備で資料をあれこれ探していると、わくわくするものに出逢います。

例えば「氷点ブーム」がわかる雑誌の特集や、主題化のレコード、台本……。

作家デビュー作がドラマ化されて、それだけでもすごいことなのに、1時間の連続ドラマ。『氷点』の最初の連続ドラマの時など、その放送時間になると「風呂屋が空になった」とい言われていたほどで、綾子はいきなりお茶の間の人気者になったわけです。

今回の層雲峡・天人峡を舞台にした作品はほとんどがドラマ化されていて、中には『自我の構図』のように雑誌連載とテレビドラマ化が同時という画期的な企画(最初は『愛の誤算』としてスタート)もありました。展示ケースではドラマ化された作品の台本や当時の主題歌のレコードなども紹介しています。よくよく見ると、女優が主題歌を歌っていることがわかり、なかなか驚きです。

当時の新聞のテレビ番組欄を入手しましたので、探してみてくださいね。

 

1989年にテレビ朝日開局30周年記念ドラマとして『氷点』が放送された時は、玉置浩二さんが音楽を担当され、主題歌も歌ってくださいました。大切に保管していたレコード、この機会にぜひ聴いてみてください。

展示は3月25日(日)まで、2階第4展示室で開催しています。

 

企画展こぼれ話8 サスペンス

現在の企画展「三浦綾子サスペンス 層雲峡・天人峡に燃ゆ。」が始まったばかりの頃、ボランティアさんに、「この本はどこにあるのですか?」と何度も聞かれました。「ごめんなさい、本のタイトルではなくて、展示のタイトルです。」と説明すると「あ~!」と言われました。確かにちょっとありそうだったかも……?

企画展のタイトルは毎回悩みます。「何、これ?」とか「行ってみよう!」と思ってもらえるものをつけたいと、無い知恵絞ってひねり出しているのです。

三浦綾子は旭川を舞台にした小説を多く書いていますが、今回はもっとポイントを絞って層雲峡・天人峡を描いた作品を取り上げて紹介しています。層雲峡は綾子にとって光世との新婚旅行の思い出の場所です。穏やかな時間を過ごしたはずなのに、綾子の小説では、何か事件が起こったり、主人公の心情が大きく変化したりする場面として描かれています。この後主人公はどうなってしまうのか、読者がドキドキする場面です。『自我の構図』のように冒頭から天人峡で事件が起こる小説もあります。

「サスペンス」とは「ストーリーの展開において、この先どうなるのかという不安感・危機感を与えることで、観客・読者の興味をつなごうとする映画・演劇・小説の技巧」。つまり、作品で描かれている層雲峡・天人峡は綾子のサスペンス要素がつまった場所なのです。

サスペンスというと、火曜サスペンスが好きだった私は「崖」を連想しますが、ここは「峡」なので崖ではありません。「狭いところにいる時」つまり、追い詰められた心理。その時人はどうするのでしょうか。取材に訪れた綾子は、ここにある銀河の瀧を見上げています。

展示室には綾子も見上げた銀河の瀧をぶら下げています!綾子の視線を真似してみてくださいね。もちろん、展示室での記念撮影もOKです。

「見上げる目線が大事」が気になった方、続きは第4展示室で!

企画展 三浦文学と北海道(4) 三浦綾子サスペンス 層雲峡・天人峡に燃ゆ

開催にあたって

三浦綾子は、いわゆる推理小説は書きませんでしたが、『氷点』や『広き迷路』に代表されるように、読者に緊張感を与え、ぐいぐいと物語世界に引き込む作品を数多く書きました。

サスペンスといえば、よく海辺の断崖絶壁での告白シーンなどが思い浮かびますが、三浦綾子は違った目線を持っています。

ポイントなるのは、“見上げる”目線です。というのは、追いつめられた時の、心の向き方が大事だと三浦綾子は考えたからです。その目線を描くのに、層雲峡、天人峡はぴったりでした。押しかぶさってくるような柱状節理の岩肌を仰ぎ見上げることで、逆説的に主題を浮かび上がらせたと言えるでしょう。

この企画展では、層雲峡、天人峡が登場する作品を紹介しながら、三浦文学ならではの表現と、そこに込められたテーマをお伝えします。大型解説パネル8枚と、資料約30点を展示します。特に資料は、触っていただけるものもご用意しました。ご家族皆様でお楽しみください。

主催者

【開催期間】 2017年11月1日(木)〜2018年3月18日(日)
※10月は月曜日休館(月曜祝日の場合は翌平日)
【会   場】 三浦綾子記念文学館 2階第4展示室
【開館時間】 午前9時~午後5時
【入館料金】
[大人]500円、[大学・高校生]300円、[小・中学生]100円 ※[賛助会員]無料
[団体割引] 10名様以上は50円引
★土曜日は高校・中学・小学生は無料、同伴の保護者2名まで団体料金適用
★旭川市内の小中高校生が授業の一環として利用する場合は無料(事前にFAXかお電話でご連絡ください)
★障害者手帳をご提示いただいた方は無料

企画展こぼれ話7 作家を育てる編集部

この企画展のテーマは「明智光秀の娘・玉子の『道ありき』」であり、「玉子と綾子、二人の道は似ている?」なのですが、裏のテーマがあるとすれば「綾子は作家を育てる編集部と出逢った」ということです。

展示で紹介している貴重な写真は、どれも綾子のいい表情を捉えていて、編集部がカメラマンを同行して旭川の綾子を訪ねただけでなく、大阪や熊本などの取材旅行にも同行したことがわかります。歴史小説が初めての綾子のために取材旅行の日程を組んでくれただけでなく、編集長と担当編集者さらにカメラマンが同行するわけですから、作家・三浦綾子への期待は並々ならぬものだったと感じますし、駆け出し10年の作家を育てる気持ちが豊かにあったのだと思います。これは主婦の友社に限ったことではなく、他の出版社の方も同じでした。今までの企画展や現在の1階常設展にも、取材旅行などに雑誌編集者とカメラマンが同行してくださったおかげで記録されている写真がいくつもあります。

今回の展示パネルで編集長藤田さんへの電話インタビューを「創作秘話」として紹介しました。パネルには紹介しきれなかったのですが、藤田さんに「綾子さん、光世さんのことで一番印象深いことは」と尋ねると、「豊岡のご自宅を訪ねて帰るとき、お二人はいつも車が見えなくなるまで見送ってくださっていました。綾子さんが亡くなられた後に訪ねた時は、光世さんが一人で見送ってくださいました。その時にもう綾子さんはいないんだなあと思って涙がこぼれたことを今でも思っています」と話してくださいました。

展示ケースの一番最後には綾子を支え続けた主婦の友社の編集長藤田さんと担当編集者渡辺さんの当時を振り返る文章(三浦綾子作品集に収録)と共に、社長石川数雄氏からの手紙を展示しています。この手紙は1971年。綾子・光世が三浦商店を営んでいた店舗兼自宅から同じ豊岡の今の三浦家に引っ越した年です。実はこの引越祝いに石川氏はラジオを贈り、そのお礼に綾子はジャガイモを贈ったのでそのお礼の手紙です。この頃、綾子は『道ありき』三部作の『光あるうちに』を「主婦の友」に連載していました。石川氏から「今度はガラシャの道ありきを書いてください」と言われるのはこの手紙の後なのです。そして翌1972年11月には1回目の取材旅行、1973年1月から『細川ガラシャ夫人』の連載が始まるのです。

三浦文学でフットパス1日目 「泥流地帯の道」2

「泥流地帯の道」すがら、ずーっと続く田んぼ。ここってもしかして……と思ったら、井上さんが「このあたりは『泥流地帯』にも出てくる「三重団体」ですよ」と説明してくださいました。『続泥流地帯』の拓一と耕作の葛藤の日々はこのような美しい稔りを迎えているのだなあとあらためて思います。先日、土の館の館長が「悪い土ほどいい。変えていくことができるから」とおっしゃった言葉をふと思い出しました。

歩いていく中で何やら大きな虫が飛んでいるような音が。しきりに私達を追いかけてきます。頭上を見上げると……ドローン!?

「あれ、そういえば和寒町スタッフでツアーに参加しているあの方がいない!」と思ったら、鉄橋下をくぐり、開拓記念館が近付いてきたところで発見!

「え!ほんとに!?」

と一気にみんなのアイドル(?)になる和寒町スタッフ茂木さん。

どんな映像が撮影されたかは、文学館にも届けてくれるといういことですので、お楽しみに!

開拓記念館は大きな公園の中に建っています。皆様それぞれベンチに座って昼食タイム!お1人参加の方ばかりでしたが、一緒に歩いていく中で自然に親しくなり和やかな時間でした。

<お昼にはおいしいお弁当の他に、富良野メロンのおもてなし>

<「土」シリーズに続く小道具は手作り紙芝居>*井上さんはアイヌのお話を3本、手作り紙芝居で紹介してくださいました。山に親しみが持てるお話です。

<『泥流地帯』の碑>*この題字は綾子さんの字です(本文は書家の方)。ここであの泥流が襲ってきたときのシーンを朗読されると、込み上げてくるものがあります。

どこまでも追いかけて撮影してくれるドローンに手を振りながら歩き続け、専勝寺で「十勝岳爆発惨死者碑」の説明を受け、郷土館に無事到着しました。

ガイドはもちろん、細やかな準備をしてくださった上富良野の皆様、本当にありがとうございます。

「泥流地帯の道」を歩いた皆様、本当にお疲れさまでした!